TikTokShop、2025年6月に日本でサービス開始
TikTokShopとは？
TikTokShop（ティックトックショップ）とは、SNSアプリ「TikTok」内で完結する公式のショッピング機能です。ユーザーはTikTok上で商品を発見し、そのままアプリ内で購入まで行えるため、外部サイトに遷移する必要がありません。ショート動画やライブ配信といったエンタメ性の高いコンテンツとEC（電子商取引）が融合した、次世代型のソーシャルコマースプラットフォームです。
もともとは中国版TikTokである「抖音（Douyin/ドウイン）」で発達した機能で、中国国内ではTikTokライブコマースを武器に巨大なEC市場へと成長しました。TikTokShopでは、企業や個人が動画投稿やライブ配信を通じて商品を販売し、購入者は視聴中に直接商品を注文できます。まさに「見て楽しい・すぐ買える」を実現したサービスと言えるでしょう。
なおTikTokでは、従来から動画配信中に視聴者が配信者に投げ銭（ギフト送信）できるライブ機能も存在します。しかしTikTokShopのライブ機能はそれとは異なり、視聴者がリアルタイムで商品を購入できるライブコマースが特徴です。つまり、TikTokライブ配信には「配信者への投げ銭型」と「商品を販売するライブコマース型」の2種類があり、TikTokShopは後者の販売型ライブ配信を中核としています。
ショート動画・ライブ配信・ECがシームレスに連携したTikTokShopは、単なる動画視聴アプリだったTikTokを、一躍「買えるSNS」へと進化させただけでなく、企業や個人が“売れるSNS”として活用できる、新時代の販売プラットフォームでもあります。
TikTokShopが日本上陸！2025年6月からサービス開始
TikTokShopがいよいよ日本に上陸します。報道によれば、2025年6月に日本市場でTikTokShopのサービス開始が予定されており、TikTok運営企業は国内の企業や個人に対して出店（参入）、販売者募集を本格化する見通しです。
これにより、日本企業やクリエイターがTikTok上で直接商品を販売できる公式チャネルが初めて整備されることになります。
TikTokShopはすでにアメリカ、イギリス、スペイン、アイルランド、メキシコなど欧米諸国や、シンガポール、タイ、ベトナム、マレーシア、フィリピン、サウジアラビアなどアジア・中東地域で次々とサービス開始済みです。2025年中にはイタリア、ドイツ、フランス、ブラジルでも展開予定と報じられており、TikTokShopはまさに世界規模で拡大中のECプラットフォームです。
日本市場に目を向けると、TikTokの月間アクティブユーザー数は3,300万人以上とされ、その約6割を18～34歳の若年層ユーザーが占めます。また日本におけるTikTok利用者の1日あたり平均視聴時間は96分で、YouTube（82分）やInstagram（54分）より長く、非常に高いエンゲージメントを示しています。この膨大なユーザー基盤にEC機能を掛け合わせることで、TikTokは日本でも新たな購買体験を創出しようとしています。
従来の日本EC市場では「欲しい商品を検索して購入する」という能動的な購買行動が主流でしたが、TikTokShopでは興味を引く動画やライブ配信を見ているうちに、視聴者が自然と商品に惹かれ、そのまま購入へと誘導されるという新しい購買体験が実現されます。ユーザーの関心に合わせたコンテンツがアルゴリズムによって表示され、「見ていたら欲しくなって買ってしまう」——そんな自然発生的な購買が起こりやすい設計になっているのが特徴です。中国で成功したこのモデルが日本でどこまで機能するのか、今から大きな注目を集めています。
TikTokShopの主な機能
TikTokライブコマース（ライブショッピング）
TikTokアプリ上でライブ配信を行い、リアルタイムに商品を紹介して販売できる機能です。
配信中、画面上に商品リンクや購入ボタンが表示され、視聴者はライブを見ながらその場で商品を注文できます。販売者（配信者）は商品の使い方や魅力を実演しながら双方向でユーザーとやり取りできるため、テレビ通販のような臨場感ある購買体験を提供できます。TikTokライブ配信の盛り上がりがそのまま売上につながるダイナミックな機能です。
TikTokショート動画×商品販売（TikTok Shop 動画ショッピング機能）
TikTokのショート動画コンテンツに商品タグやカートボタンを埋め込み、視聴者が動画視聴から直接商品ページにアクセスして購入できる機能です。販売者自身のTikTok投稿動画で商品を紹介し、動画内のリンクから購入を促すことができます。
また、クリエイター（KOL/KOC/インフルエンサー）の動画を活用したアフィリエイト連携も可能です。販売者は自社の商品を宣伝してくれるTikTokクリエイターを募り、彼らの動画経由で売れた分だけコミッション（成果報酬）を支払う仕組みです。これにより数多くのKOL/KOC/インフルエンサーと協業して商品PRを拡散でき、認知度の向上および販売機会を大きく広げることができます。
TikTokShop内「ショップページ」「ショップタブ」機能
TikTokShopでは、「ショップページ」や「ショッピングタブ」といった機能を活用することで、ユーザーが商品をスムーズに発見・購入できる環境が整っています。
販売者（配信者）のプロフィールにはショップページ（自社商品の一覧表示）が設置でき、ユーザーは動画だけでなく、このページから直接商品を選んで購入できます。
また、TikTokアプリ内にあるショッピングタブ（Shopタブ）では、人気商品やカテゴリ別の商品が探しやすくなっており、まるでTikTok内に通販モールが組み込まれているような仕組みです。購入に必要なカートや注文管理などの機能も備わっており、エンタメと買い物をシームレスにつなぐショッピング体験を提供します。
TikTokによる一括物流代行サービス（Fulfilled by TikTok／FBT）
一括物流代行サービス（Fulfilled by TikTok／FBT／フルフィルド・バイ・ティックトック）です。これはTikTokが販売者に代わって在庫管理・梱包・配送まで行うワンストップ物流ソリューションで、AmazonのFBA（Fulfilled by Amazon）に近いサービスモデルです。海外ではすでにイギリスやスペイン、ドイツなどで導入が進んでおり、ドイツではTikTokShop開始時からFBTが提供される予定と報じられています。
日本でも将来的にFBTの導入が見込まれており、これにより販売者は物流オペレーションの負担を軽減し、TikTok側のスピーディーな配送ネットワークを活用できるようになります。初心者でも安心してEC販売を始められる強力な支援機能と言えるでしょう。
TikTokShopの特徴
TikTokShop内で完結するシームレスな購買体験
TikTokShop最大の特徴は、商品閲覧から決済完了までがすべてTikTokアプリ内で完結することです。ユーザーは動画やライブで気になった商品を見つけたら、リンクをタップしてそのまま購入が可能で、外部サイトに移動する必要がありません。
このシームレスな導線により、従来のECでありがちな「別サイトに飛んだ途端に購入をやめてしまう」といった離脱が起こりにくく、スムーズな購買体験を提供します。店舗側にとっても成約率向上が期待でき、SNS上の興味を即座に売上に転換できる点は大きな利点です。
TikTok独自のアルゴリズムによる“自然な商品露出”
TikTokのもうひとつの大きな強みは、アルゴリズムによる高精度なパーソナライズ表示です。
ユーザーの視聴履歴や興味関心に応じて、関連性の高い動画や商品が「おすすめ（For You）」に高精度で自動表示されるため、検索されなくてもブランドや商品がユーザーの目に留まるチャンスがあります。
その結果、知名度の低いブランドや新商品の場合でも、オーガニックでの大量露出が期待できるのがポイントです。中小企業やD2Cブランド、新規参入企業にとっては、従来の広告中心の集客とは異なる“自然流入”の販路が得られる大きなチャンスとなります。
TikTokShopの手数料モデルによる柔軟なマネタイズ
TikTokShopの収益モデルは、基本的に売上コミッション（手数料）です。出店や掲載自体に大きな固定費用はかからず、商品が売れたときにTikTok側に一定割合の手数料を支払う仕組みになっています。その手数料率は地域や時期によって異なりますが、概ね5～8%前後が標準とされています。例えば、米国TikTokShopでは新規出店者向けに初めの3ヶ月は1.8%の優遇コミッション、その後標準の5%といった設定がありました。東南アジアでも当初は数%程度の低手数料で参入ハードルを下げ、市場拡大とともに手数料率を段階的に引き上げています。これは従来型のECモールより手数料が低めに設定されているケースが多く、販売者にとって魅力的です。
手数料モデルの利点は、プラットフォーム側と販売者側の利害が一致しやすい点です。TikTokにとっては売上が増えれば増えるほど手数料収入も増えるため、積極的に販促キャンペーンや広告メニューを提供してマーケットプレイス全体の活性化を図ります。
実際、TikTokShop上では定期的に割引セールやクーポン配布、チャレンジ企画などの全体キャンペーンが開催され、多くのユーザーを呼び込み、購買意欲を高めています。販売者は、そのような全体キャンペーンに参加することで商品露出を増やせるうえ、自社で広告費をかけなくてもプラットフォームの盛り上げ施策の恩恵を受けられます。低コストで始めやすく、売れた分だけ利益に還元されるという柔軟なモデルがTikTokShopの特徴です。
TikTokShopの成功事例
Skintific（スキンティフィック）
Skintificは2019年に中国・広州で誕生したスキンケアブランドで、TikTokコマースを成長の主軸に据え急成長した代表例です。中国本土のみならずタイやインドネシアなど東南アジア市場でTikTok Shopを活用し、現地インフルエンサーとのコラボやライブコマースを積極展開。高いコストパフォーマス戦略で短期間に人気ブランドの地位を確立しました。
その成果は数値にも表れており、2024年11月にはTikTokShopから「11.11ベストセラーブランド」に表彰され、同期間中の売上がカテゴリ内トップになるなどプラットフォーム内でリーダーポジションを築いています。さらにインドネシア市場では、2022年にTikTokShop上で累計180万点以上を販売し、約1億5,000万元（約30億円）超の売上を達成。TikTokグローバルビューティーセールスでトップブランドに輝く快挙も成し遂げました。
Skintificは、トレンドを捉えたチャレンジ企画やインフルエンサーPR、ライブ実演販売を組み合わせることで爆発的な話題と購買導線を生み出した好例です。この成功は、新興ブランドがTikTokShopを活用し一気に市場拡大できることを示す象徴的な事例と言えるでしょう。
花西子（フローラシス）
中国コスメブランドの花西子（Florasis/フローラシス）も、ソーシャルコマースで成功を収めた注目ブランドです。花西子は伝統的な中国美学を取り入れたコスメが話題となり、国内ECのみならず抖音（Douyin/ドウイン/ 中国版TikTok）などのライブコマースで急成長しました。
2021年度の抖音（Douyin/ドウイン/中国版TikTok）コスメ売上ランキングでは、トップ20中14ブランド（約70%）が中国発の新興ブランドで占められ、花西子も上位に名を連ねています。これはTikTokライブコマースが大手を凌ぐ販売チャネルになっている証拠であり、花西子はその波に乗ってブランド知名度と売上を飛躍的に伸ばしました。特にライブ配信では中国トップクラスのKOL（キーオピニオンリーダー）による紹介で爆発的ヒットを連発し、一晩で在庫が完売するといった伝説も残しています。
花西子の成功は、「魅力ある商品ストーリー × 強力なKOL（インフルエンサー）活用」というTikTokコマースの黄金パターンを体現したものです。
日本企業にとっても、独自性のある商品を持っていればTikTok Shop上で第二の花西子のような存在になるチャンスがあると言えるでしょう。
弊社 Z Creative Partners の Douyin & TikTokコマース（TikTokShop）事業について
Z Creative Partners 中国グループ 実績概要
- 事業運営年数：6年（2019年より参入）
- 年間売上高：300億円以上（2024年実績）
- 自社ブランド実績：中国Douyin（抖音/ドウイン）のコスメ・日用品カテゴリにて2023年と2024年のトップセラーを記録
- 展開地域：中国、東南アジア、アメリカ、メキシコ、イギリス
- 累計ライブ配信時間：33,000時間以上
- 連携インフルエンサー数：20,000名以上
- 社内で育成したライブ配信者数：100名以上
- 動画制作実績：50,000本以上のプロモーション用ショート動画を自社で企画・制作
- 年間広告投資額：非公開（ご希望の企業様には個別に開示可能）
※当社では、特定の配信者への依存を避けるため、独自のSOP（標準業務手順）を確立しています。これにより、ライブコマースにおける「属人化」の課題を解消し、誰でも運用可能な仕組みを実現。将来的にクライアント様が自社運営を目指す際にも、当社の運用ノウハウをそのままご活用いただけます。
自社運営体制による一気通貫のTikTokコマース実行力
Z Creative Partnersの中国グループは、自社でEC運営チーム（TikTok Shop運営）とライブ配信スタジオを保有し、商品選定からマーケティング、物流・カスタマー対応まで、すべてを一気通貫で担う完全自社運営体制を確立し、実行しています。
SOPに基づく再現性の高いライブコマース運用
ライブコマースにおいては、属人的なカリスマ配信者頼りの運用ではなく、豊富なデータに基づいたSOP（標準作業手順書）を構築。これにより、どの案件でも安定した成果を出せる再現性の高い成功モデルを実現しています。また、クライアント企業様が将来的に自社で運用を行いたい場合でも、そのノウハウを活用しやすい仕組みになっている点も大きな特長です。
中国の成功実績をもとに、日本企業のTikTokShopにおける成功を支援
Z Creative Partnersは、中国で培った豊富なTikTokコマース運用経験と、日本市場に精通したマーケティング力を併せ持つプロフェッショナル集団です。すでに中国市場で証明されたTikTokコマース（TikTokShop/TikTokショップ）の成功方程式を、日本の商習慣や消費者行動に合わせてローカライズし、戦略設計から実行まで最短ルートで成果につなげる支援を全力で行います。
Z Creative Partnersは、貴社のTikTok Shop戦略において、実行力のあるパートナーとして、公式ストア・アカウントの開設、UI設計、運用方針の策定、商品登録やコンテンツ設計（タイトル・説明文・キーワード最適化）、競合・市場分析に基づく広告戦略立案、ショート動画やライブ配信の企画・制作、KOL/KOCの選定とキャスティング管理、さらにデータ分析・月次レポート作成、受注処理やアフターサポート対応まで、豊富な経験をもとにワンストップで支援いたします。
TikTokShop導入に関する無料相談も受け付けております。
サービス内容、支援体制、見積もりなど、下記コンタクトフォームより、どうぞお気軽にお問い合わせください。
Resource: Edited by Z Creative Partners based on information from Nikkei News, TikTok official materials, JETRO, and other publicly available sources.
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